2013年1月19日土曜日

[地方公務員給与] 押しつけ削減は問題だ!?

(以下引用)

[地方公務員給与] 押しつけ削減は問題だ
( 1/17 付 )

 政府は、首相官邸で開いた国と地方の協議の場で、地方公務員の給与水準を国家公務員並みに引き下げることを要請。2013年度に地方自治体に配分する地方交付税を6000億円圧縮する方針を伝えた。

 これに対し、山田啓二全国知事会長(京都府知事)らは、「交付税を使って政策を強要するのは、地方分権に反する」と反発。方針の撤回を求めたが、政府の強硬姿勢は変わらなかった。

 政府には、国の予算の2割を占める交付税の圧縮で、財政再建に向けた取り組みをアピールしたい狙いがある。しかし、交付税を使って政府の方針を地方に押しつける手法は疑問だ。国と地方の対立が深刻にならないよう、政府は地方の理解を得る努力が必要だ。

 政府が地方公務員の給与引き下げを求める背景には、東日本大震災の復興財源確保のため、民主党政権下で12、13両年度に国家公務員給与を平均7.8%引き下げたことがある。

 財務省の試算では、国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示すラスパイレス指数は、04年度から100を下回る状態が続いていたが、12年度は106.9に上昇した。1980年以来の高い数字という。

 民主党政権は、自治労など支援母体に配慮し、地方公務員の給与削減を見送ったが、自民党は衆院選で、国と地方の人件費計2兆円の削減を打ち出していた。

 国民の中に、官民の給与格差の縮小を求める声があるのは事実だが、地方公務員の給与は地方自治体に裁量権があることを忘れてはならない。政府が、財源を絞って国のいうことを聞かせようというやり方は筋違いだ。

 地方は国に先駆けて経費削減の努力を続けており、地方独自の給与カットは2002年から10年間で約1兆6000億円に上る。鹿児島県でも04年度から昨年度まで独自の給与カットを行い、延べ380億円の人件費を削除した経緯がある。

 地方自治体の中には、豊かな自治体がある一方で財政状況が厳しい自治体もあり、こうした事情を考慮せず、話し合いもないまま一律に給与カットを求めることに、地方が反発するのは当然だ。

 昨年3月成立した国家公務員の給与削減を定めた臨時特例法は、付則で地方自治体に「自主的かつ適切な対応」を求めている。自治体住民らの「国に比べて給与が高い」との声を、自治体はどう受け止めるのか。政府に対応を促される前に、地方が独自に適切な対応を考えていくことが重要だ。

-------引用ここまで

地方が、国の押し付けだと反発するのも理解できますが、それは地方がそれぞれの財政状況に応じて適切に給与水準を決めていればという前提での話。

今後10年程度で財政再生基準以上の赤字が見込まれ、「夕張市」と同じように「財政再生計画」の提出が必要となると予想されながら、給与水準は他の市と横並びのような市が存在する状況があります。

だからこそ「地方交付税」を使って国の方針を地方に押し付けようとしているのが今回の事態。一番の問題は、地方の財政状況と総人件費や給与水準がリンクしていないことです。

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