2012年8月24日金曜日

教育委員会について本気で考える

教育委員会について本気で考える
                 構想日本 代表 加藤 秀樹
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 いじめ問題や教員による不祥事が後を絶ちません。その防止には現
 場での努力や教員各人の自覚が求められますが、これらの問題が深
 刻化する背景には、学校の上に市町村教育委員会、都道府県教育委
 員会、そして文部科学省が積み重なる日本の教育行政が、機能不全
 に陥っているという現実があります。

 本来「学校その他の教育機関を管理」(地方自治法第180条の8)す
 る存在であるべき教育委員会は、今回の大津市に限らず、その役割
 を十分に果たしているとは言えません。原因を端的に言えば、日本
 の教育行政が、「責任をとらない仕組み」になってしまっているか
 らです。

 自治体の首長は、学校の設置者として予算こそ握っていますが、教
 育委員の任命権を持つのみで、教育の本質に関わる権限はありませ
 ん。一方、教育内容に大きな権限を持つ教育委員会は、非常勤の委
 員の合議体であるため、「自分たちはお飾り」と公言する委員さえ
 います。そして教育委員会事務局は、実務権限を握りつつ、「責任
 は教育委員会に」という形式論を展開するのです。さらに、その上
 に立つ文科省はと言えば、日常的には全国統一の権限を振りかざし
 ていながら、問題が起きれば「各地域の責任だ」と言わんばかりで
 す。

 以上のような責任不在・機能不全はかなり前から指摘されていなが
 ら、議論は教育行政の仕組み自体には至ることなく、結局は現場の
 問題として「トカゲのしっぽ切り」が繰り返されてきました。この
 ような状況のままで、日本の子どもたちを育てていくことができる
 のでしょうか。

 第180回JIフォーラムのテーマは、『教育委員会について今度こそ
 本気で考える』です。教育は社会の基盤をなす重要な問題です。教
 育現場の経験豊富なゲストとともに、皆さんと一緒に考えたいと思
 います。

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そのとおり!

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