2014年9月10日水曜日

3ヶ月遅れの市長の行政報告

6月定例市議会の開会にあたりまして、議員各位にはご参集をいただき、付議議案のご審議をいただけますことに感謝申し上げます。
 さきの3月定例会以降、現在までの市政運営事項についてご報告申し上げます。
 初めに、防災対策について、防災の基盤となる地域防災計画の大幅な見直しを行い、2月末に策定いたしました。この計画は、防災まちづくりを初めとして、災害対策本部機能の強化や地域防災力の向上など、様々な政策において最上位の重要な計画です。臼杵市では、東日本大震災以降、ハード面とソフト面の両面にわたり市民の命を守ることを最優先課題と捉え、スピード感を持って取り組んでいます。
 この計画を補完するものとして、市民の方々に対しては、既に防災マニュアルや津波避難場所マップなどの配布を行っています。
 また、市役所における災害対応については、災害発生時においても市民生活に混乱を来さないようにするため、職員の初動行動から1カ月間にわたる各課の必要業務の洗い出しを行い、復旧・復興への足がかりとする業務継続計画、いわゆるBCPを策定しましたので、全職員に対し周知徹底を図ることにより、被災直後から業務を停滞させることなく遂行できる体制の構築に努めてまいりたいと思っております。
 さらに、東日本大震災では、長期にわたり過酷な避難所生活を余儀なくされ、災害関連死者数が2,700名に上るといった事実を受けとめ、避難所開設運営マニュアルを完成させました。これは、平成24年度に大分県南部地区総合防災訓練において、避難所開設・運営訓練を実施しましたが、訓練の検証を行った結果、避難所での58の課題が浮き彫りとなり、この課題を解消するため、訓練を経験したスタッフ50名が協議を重ね、作成したものです。
 このマニュアルを女性防災士連絡協議会を初めとして12の地域で発足している防災士会が実施する防災士スキルアップ研修や自主防災会での訓練で活用し、避難所運営がみずからできるよう訓練するとともに、キーパーソンとなる人材の育成も行っていきたいと考えています。今後は、避難場所となる小学校、中学校の体育館や地区の公民館などへ配布し、そしてまた常備し、災害発生時には、このマニュアルをもとにした自助、共助のつながりが減災に役立つような環境整備を図っていきたいと考えております。
 このように、地域の防災士が中心となって、それぞれの地域の防災対策に取り組んでいただけることは、地域の防災力が大きく向上、前進しているあかしであると心強く思っています。
 また、3月20日には、東南海・南海地震を初めとした各種災害が発生した場合における下南保育所園児の緊急避難誘導について、臼杵市社会福祉協議会、大分醤油協業組合、下南地区防災連絡協議会と臼杵市が協働して取り組むため協定を締結しました。
 保育所の建物の倒壊を伴う地震の発生などにより、園児が緊急に避難しなければならない有事の際、大分醤油協業組合の建屋内外の安全が確保された場合に、園児を誘導し、大分醤油協業組合に避難させるという内容であります。園児の安全確保のため、防災対策に万全を期すこととしています。
 次に、臼杵市の人材育成について、市民の意見を広く求めるため、本年3月に臼杵市人材育成市民連携会議を立ち上げました。これまで教育委員会で所管していた「臼杵市の人材育成を考える会」と市長部局で所管していた「市民のための臼杵高校をつくる会」を統合するものであります。
 会議では、市民を挙げて臼杵の将来を担う人材を育成することについて考え、県の教育委員会への要望や通学に関するJRへの要望など、必要な支援活動を行っていくことを決議いたしました。
 今後も引き続き、各種団体と連携し、臼杵に誇りと愛着を持つ人材を育てるための教育内容の充実に関する提案や人材育成につながる支援活動を行っていきたいと考えています。
 3月20日、市浜地区振興協議会の設立に伴い認定証を授与し、市内で11番目となる地域振興協議会が誕生いたしました。3,000世帯を超える市内で一番大きな小学校区での地域振興協議会の発足となり、多くの住民が地域活動に参加され、市浜地域がますます発展し、住民相互のきずなを深めていただきたいと思っています。
 3月22日、昨年急逝しました故塩屋 俊さんをしのぶ追悼イベント「塩屋 俊メモリアル」を開催いたしました。また同時に、合併後の臼杵市で初となる市民栄誉賞の授与を行い、出席いただいた塩屋さんの奥様、塩屋ゆかり様に贈呈いたしました。
 塩屋さんの功績は、改めて言うまでもありませんが、俳優、映画監督として活躍するほか、人材育成の観点から独自のプログラムに基づき、俳優の養成、育成に取り組み、臼杵市でも塩屋さん本人が学校に直接出向き、生徒のコミュニケーション能力育成の講座を行っていただきました。
 市としましては、子供たちにとってより良い人間関係を築くための自己表現の方法などを習得し、思考力、判断力、表現力を高めることにもつながるとして、今後、本格的に取り組んでいただく予定でありました。しかし、残念ながら塩屋さん自身から指導していただくことはかないません。今年度から塩屋さんが手がけたコミュニケーションプログラムを俳優養成学校であるアクターズクリニックの指導者を講師として、市内の南中学校、豊洋中学校、野津中学校の3校で実施します。既に6月6日から南中学校と豊洋中学校で開始しています。常にふるさと臼杵を愛し、誇りにしていた塩屋さんの思いを受けとめ、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
 また、平成26年度から長年の功績者に贈る市民栄誉賞とは別に、芸術、文化、スポーツなどの各分野において、全国レベル以上の大会などで優勝した市民や出身者の方をたたえる市長賞詞交付制度を創設しました。
 これまでは、優勝報告を市報に掲載するほか、その活躍や成果に対しては、市として顕彰していませんでしたが、全国的な活躍、すぐれた成果は、ひとしく臼杵市民に深い感動や明るい希望と勇気を与えるものですので、市としてたたえることとしました。
 各分野で頑張り努力し、活動する方々を応援する制度として励みとなり、より一層の活躍に結びつくことを願っています。
 次に、成年後見人制度について、4月1日、臼杵市社会福祉協議会が法人として後見人となり、支援活動するために、大分県下では2番目となる臼杵市市民後見センターを設立しました。認知症高齢者の増加や障がい者を養護している親などの高齢化が進むことなどにより、この制度への需要は今後急速に増加することが見込まれています。しかし、弁護士などの専門職後見人の人数は十分とは言えないことを考えますと、親族後見人と専門職後見人だけでは、これらの人々を見守っていくことは困難だと思われます。
 こうした背景から、支援員を育成、活用する仕組みをつくり、研修で十分な知識を得た支援員が、この市民後見センターで市民後見人としての役割を担い、後見が必要な方々の暮らしを支えていくこととしました。
 市と社会福祉協議会が連携をとりながら、成年後見制度を広めていくことで、判断能力が低下した方であっても、市民後見人の支援を受けつつ、地域の中で尊厳ある暮らしを維持し、安心して暮らしていける環境を整えていきたいと考えております。
 また、同じ4月1日、市民課内に臼杵市消費生活センターを設置しました。消費生活センターは、消費者トラブル解決のための相談体制の一層の充実強化はもとより、消費者被害を生まない知識を市民の方々が身につけ、暮らしの知恵、正しい消費生活知識を学び、子供たちへ伝え、市民誰もが賢い消費者となれるような啓発活動を行っていきます。
 今後も引き続き、市民の方々が被害に遭わないよう情報発信するとともに、万が一、トラブルに遭った場合における相談の対応強化に努めていきたいと考えております。
 次に、臼杵市の歴史、文化、観光などの魅力を紹介するための拠点となる2つの施設がオープンしました。
 臼杵市が所蔵する絵図、古文書などを初めとする歴史資料などを公開展示する臼杵市歴史資料館が4月26日に開館しました。今まで、適切な展示施設がなかったために公開できなかった様々な貴重な文化財を、可能な限り臼杵市歴史資料館で展示していくことで、臼杵の歴史的、文化的な魅力を多くの方々に伝えていくことができるようになりました。
 今後も、展示の方法や仕掛けを考え、2度3度と足を運んでいただけるよう情報発信に努め、さらに臼杵の魅力を伝えていきたいと考えております。
 また、5月3日には、中心市街地整備の集大成として、観光拠点となる臼杵市観光交流プラザがオープンしました。6日までのゴールデンウイーク期間中には、臼杵の食を中心としたオープニングイベントを開催し、多くの市民、観光客でにぎわい、現在も継続して様々なイベントや仕掛けを取り入れ、観光交流プラザの活用を図っているところであります。
 また、オープン記念として、絵画でまちおこしのボランティアを行っているNPO法人地域美術展協会のご協力により、臼杵を題材に昨年1年間公募した絵画を展示する「臼杵を描く絵画展」を行いました。全国各地の美術作家が臼杵を訪れ、臼杵の自然や風景、石仏や町並みなどを描いていただき、135点の絵画が出品されました。どの作品にも、臼杵の見なれた光景が、それぞれのすぐれた感性によってしっかりと引き出されており、改めて臼杵のよさを再認識することができました。
 観光交流プラザは、臼杵を訪れる観光客をお迎えし、臼杵の情報をわかりやすく提供するとともに、市民も集う交流の場として、臼杵流おもてなしを推進していきます。また、まちなかの活性化、商店街振興などにもつながるよう、市民の皆さんと協働で盛り上げ、臼杵の魅力を広く情報発信していきたいと考えております。
 5月10日、ワタミグループと水源涵養の森林づくりの協力に関する共同宣言書の調印を行いました。臼杵市は、森林が本来持つ水源涵養機能などの多面的機能の維持、増進を図るため、平成24年度から市政の重要施策として水源涵養の森林づくりを実施してきました。この取り組みは、臼杵市議会の水資源調査特別委員会から臼杵市の水源の確保や保全に関する提言をいただいたことを受け、水源涵養モデル地区の設置や助成制度を新設し、健全な森林再生に取り組んでいるものです。このたび、この趣旨に賛同いただいたワタミ株式会社並びにNPO法人リターン・トゥ・フォレスト・ライフと、地球と全生物の共有財産である森林を地域で守り育て次世代に伝えていくため、健全で豊かな森林づくりを協働して行う指針を宣言し、森林再生への取り組みを行うこととしました。
 共同宣言の後、ワタミグループ主催の「臼杵の海と森と畑と人々を結ぶ食べ物の祭典」が開催されました。食と命をキーワードとした水源の森再生など、地域、行政、企業が協働する地域振興の取り組みを活性化させることと、里山、農地、海の環境や食に関する問題意識を高めることを目的とし、ワタミグループ創業者であり参議院議員の渡邉美樹氏も参加し、パネルディスカッションや地元産物の直売会を行いました。市内外から多くの方々に参加していただき、臼杵の宝を食と命という観点からいま一度見直すきっかけになったのではないかと感じております。
 5月24日、にっぽん子育て応援団結成5周年記念フォーラムにおいて、「勝手に表彰!全国自治体『すてきな子育て支援大賞』」の発表があり、全国で18自治体が大賞を受け、大分県では臼杵市のみが受賞しました。
 臼杵市において、平成26年度重点事業として、家庭への訪問型支援や、養育が一時的に困難になった場合の短期支援の導入、また地域少子化対策強化モデル事業の活用で様々なサービスを総合的に提供するコーディネーターの育成などの事業を実施することを通し、相談機能の強化を図り、妊娠期から子育て世代までが安心して利用できる子育て総合支援センター(仮称)の設置を目指していることが高く評価されたものだと考えております。
 栄誉あるこの受賞を、今後の子育て支援の推進に対する大きな励ましと受けとめ、市民の皆様に安心して子育てできるまちと実感していただくために、様々な支援事業に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、5月24日、大分市で「キリシタン・南蛮文化交流首長サミット」が行われました。戦国時代末期に大友宗麟の影響のもと、キリシタン文化が栄えた臼杵市、大分市、国東市、日出町、竹田市、津久見市の6市町によるキリシタン・南蛮文化交流協議会が本年4月に設立されたことを受け、その活動趣旨をアピールし、今後のキリシタン・南蛮文化交流を促進していく方策を考えていくための首長サミットです。
 記念講演とパネルディスカッションでは、地元でとれた、地元でどれだけ魅力的な素材を発見していくか、その素材をどれだけ地元で魅力と感じることができるのかなどが重要であるなどの意見交換を行いました。今後、地域の個性を磨き、交流を促進し、情報発信するとした宣言を採択しました。
 臼杵市においても、埋もれている地元の素材や資源に光を当てる積極的な活動を進めていきたいと考えています。
 また、本年8月には、三浦按針の功績の顕彰などを進めている按針ゆかりの4都市、伊東市、横須賀市、平戸市、臼杵市が連携事業として、静岡県伊東市で第2回ANJINサミットが開催されます。サミットに先立ち、ANJINプロジェクト連絡協議会が6月2日に伊東市でありました。この中で、4市とも海に面した港町という共通点があることから、サミットに向けて4市による防災協定を締結することとなりましたので、あらかじめ報告いたしておきます。
 なお、臼杵市では、平成28年度にANJINサミットを開催する予定です。按針が初めて日本の地を踏み締め、近世日本の歴史に大きな影響を与えた地として、サミット開催の準備を進めていきたいと考えています。
 以上、3月定例会以降の市政関連事項について、報告を終わります。

-------引用ここまで

以上は6月定例会での「市長の行政報告」。今9月議会でも冒頭に「市長の行政報告」が行われました。以前は議員に口述書が配布されていましたが、今は聞き流すのみ。
皆さんにはケーブルテレビでお聞きいただくか、3ヶ月遅れでアップされるホームページで確認していただくしかありません。臼杵市の動き、すぐにでもアップしてもらいたいものです。

3 件のコメント:

  1. ある意味、淋しい3ヶ月遅れの報告に聞こえます。
    臼杵市歴史資料館、臼杵市観光交流プラザの現状が3ヶ月前に予測できなかったのかと。。。。今、読んでみるとむなしさが残る文章になってます。今後、この負の遺産はどうしたらよいのでしょうか?

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    1. 臼杵を訪れる人が何を望むのか?どういう情報を発信するのか?どういう施設なら市民が集うのか?「サーラ・デ・うすき」との役割分担も考慮する必要があるでしょうね。

      とにかく施設は完成しました。改良・改善を繰り返すしかありません。どこかで全体的な戦略が練られているのでしょうか?

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  2. 日記とは違う話題ですが、こういった内容が新聞に掲載されてました。大分県教職員組合が旅行業法に基づく登録をせず、大分合同新聞の広告で「慰安婦」関連施設を見学する韓国旅行参加者を募集していた問題で、松田順子・県教育委員長は10日、問題発覚後に県教委が、生徒の安全確保の観点から旅行を自粛するよう県教組に求めたにもかかわらず、韓国旅行が予定通り実施されていたことを明らかにした。

     定例県議会本会議で、麻生栄作県議(自民)の一般質問に答えた。

    臼杵市教育委員会では何か話してますか。対応はどうなってますか。

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