2015年9月25日金曜日

サーラ・デ・うすき「魚食レストラン」整備へ

反対討論いたしましたが、賛成多数で可決されました。反対討論は以下のとおりです。

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第72号議案「平成27年度臼杵市一般会計補正予算(案)」のうち、第7款第1項第5目12節から15節に計上されている、「サーラ・デ・うすき改修事業費」4千40万3千円について、以下の理由から反対するものです。

今回の改修プランは、新コンセプトを「臼杵の台所」とし、これまで「サーラ・デ・うすき」内で運営されてきた「ポルト蔵」に加えて、新たに「地魚を味わえるレストラン」と「ほんまもん農産物レストラン」を整備し、「加工チャレンジセンター」と「会議室を兼ねた加工試食室」、「商いチャレンジコーナー」を設ける計画としています。

さらに、交流ホールに「カフェコーナー」を設置し「まちなか憩いの場」とすると共に、現在のギャラリー部分を「町並み整備資料展示室」とする計画です。今回の予算案には「二王座歴史の道」から「サーラ・デ・うすき」の芝生広場へ通じる通り抜け通路を設置する工事費と「地魚を味わえるレストラン」を整備するための工事費が計上されています。

まず先行して「地魚をあじわえるレストラン」を臼杵市が整備し、「株式会社まちづくり臼杵」を指定管理者に選定、経営を行わせる計画となっています。レストランへの建物改修、及び厨房、いけす、その他運営に必要な主要設備機器は、市が整備し、指定管理者は「株式会社まちづくり臼杵」となり、実際の経営は「株式会社まちづくり臼杵」が選定した業者が行う計画です。

臼杵市は「株式会社まちづくり臼杵」に「サーラ・デ・うすき」全体の管理運営のための指定管理料を支払います。レストラン部分については「㈱まちづくり臼杵」が経営主体の業者に賃貸し、その賃貸料については、指定管理料から差し引くこととされています。

指定管理期間については3年間とされ、もし、3年に満たない期間で「経営主体」である業者が撤退した場合については、「㈱まちづくり臼杵」が残りの期間について家賃相当額を補填することになると説明されています。

しかしながら、次の5点が、憂慮されます。

1 全体計画についてです。

全体計画については、概要図と基本コンセプトだけが示されています。詳細は「地魚を味わえるレストラン」だけの説明ですが、次のような気がかりな点があります。「レストラン」などは、独立採算で運営されるとしてますが、商業ベースに乗らなければならない施設とそうでない施設が混在しています。

商業ベースの施設としては、「地魚を味わえるレストラン」「ほんまもん農産物レストラン」「ポルト蔵」「カフェコーナー」「商いチャレンジコーナー」です。一方、採算を考えなくていいスペースとして「加工チャレンジコーナー」「加工試食室/会議室」「町並み整備資料展示室」「まちなか憩いの場」さらには「㈱まちづくり臼杵の事務所」「中央地区振興協議会の事務所」があります。

「レストラン」などの「独立採算」を成り立たせる条件としては、施設全体を「人を惹きつける施設」にする必要があると思われます。少なくとも芝生広場を囲む「加工チャレンジコーナー」「加工試食室/会議室」「㈱まちづくり臼杵の事務所」「中央地区振興協議会の事務所」については再考の余地があると考えます。

また、現在の交流ホールに設置される予定の「カフェコーナー」については、「ポルト蔵」と業態が重なると共に、民業圧迫となることが懸念されます。

2 全体事業費が明らかにされていないことです。
施設は臼杵市が整備し、指定管理者に管理運営を任せることになります。今回の予算に加え最終的にどのような費用が必要となるか示される必要があります。「地魚を味わえるレストラン」が先行的に開業すれば、その他の施設も必然的に整備することになります。全体事業費が明らかにならなければ先行する費用を認めるのは適当でないと考えます。
3 「協議が整ったので先行する」とされた「地魚を味わえるレストラン」について、未だ検討すべき事項が残されている点です。

策定された「うすき海のほんまもん魚食レストラン計画」の中で「レストラン開設までに検討すべき事項」として、次の7点が挙げられています。

(1)顧客のターゲットと価格帯
(2)近隣店舗とのメニューの差別化
(3)営業時間と従業員の配置
(4)活魚を気軽な値段で提供するための工夫と活魚の安定確保
(5)交通アクセス・駐車場の問題
(6)活魚を魚食レストランに運搬するシステム構築
(7)海水の確保
これらは、レストラン計画に必要な事項であり、また、臼杵市が「魚食レストラン」を経営することについて、関係者の理解を得る上で欠くことができない事項ばかりです。「関係者への説明は今後行う」と説明されていますが、予算計上する前に実施すべきです。

4 ほんまもん農産物レストランの事業計画が整えられておらず、開業の見込みが立っていないことです。

「ほんまもん農産物レストラン」を独立採算で経営していくことは大変難しいと考えます。「レストラン」の開業目標は、「魚食レストラン」の半年遅れとされていますが、本来は、施設全体が整ってからオープンすべきと考えます。それでも独立採算で経営できるかという不安は残ります。

現在は、事業計画も策定されていない状況であり、運営業者が見込めるのか大変不安です。少なくとも、協力事業者を選定し、協議の上、経営が成り立つという見込みくらい立っていなければならないと思います。

5 指定管理者が決まっていないこと、また、その条件が整えられていないことです。

補正予算成立後、今年の12月議会において「指定管理者」を「㈱まちづくり臼杵」に随意指定する手続きを経て、協定を来年3月に結ぶとされています。
しかしながら、現時点において指定条件が明示されておらず、経営を担うべき業者の選定も行われていない状況です。このような状況下「地魚を味わえるレストラン」だけを先行させることによって、事業は後戻りできなくなります。

今後の状況如何によっては、指定を予定している「㈱まちづくり臼杵」との協議が整わない可能性も考えられます。また、先に述べたように、指定期間は3年とされ、レストランの営業期間の保障が3年しか担保されなくてよいのかという疑問もあります。

よって、以上のような点から、全体の詳細計画を策定し、全体事業費を明らかにし、経営計画を立て、指定条件を整えた上で、指定管理者を指定、責任ある管理運営が出来るようにことを運ぶ必要があると考えます。

よって、先行的に「レストラン」のみの営業を開始しようという今回の予算案には反対するものです。

議員各位の賛同をよろしくお願いいたします。

5 件のコメント:

  1. 普通、公共工事は入札して業者が決められますが、この場合業者はもう決まっているのですか?あと、地魚レストランについてはその点についてどうなっていますか?

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    1. 10月号の市報で業者(出店経営者)を募集します。審査委員会により審査され決定するようですね。申し込み期限は10月1日~10月16日となっています。業者が決まってから、その業者と相談しながらの詳細な設計を行って後、工事発注となります。その際には「指名競争入札」となります。

      経営の契約期間は3年となっています。うまくいけば「継続」、うまくいかなければ「撤退」ということになります。

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  2. 若林さん、これまでの臼杵市の取り組み方を色々と見てきた上で、察するに、
    やはり出店業者は水面下である程度決まっていると思いますよ?理由は募集期間がたったの2週間あまりと短いことです!これだけの大きい(と言っていいと思います)事業をするのに、あまりにも不親切です。
    二王座につなげる通路に関してもちゃんと入札して業者が決められるのでしょうか?

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    1. 内々には決まっているのかもしれませんね。

      市報には「詳しくはホームページをご覧下さい」となっていますが、現時点でホームページに情報は掲載されていません。
      聞けば「10月1日から配布します。それに併せてホームページに掲載します」とのこと。
      募集期間を短くして『公募』を隠れ蓑に、既に協議を進めている内定者に決めたいのか?と勘ぐりたくもなりますね。

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    2. 「魚食レストランへの改修」と「通路工事」については、経営業者が決まってから、設計に入り、3月末完成を目指すと思われます。かなりの金額になりますので「指名競争入札」になり、ちゃんと入札されると思われます。

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