2016年12月2日金曜日

中野市長の出馬表明

大戸議員ご質問の市長の任期満了が間近なことに伴う市長の自己評価と今後の方針についてお答えいたします。

 私は、平成21年1月に、新臼杵市の2代目の市長として市政に携わり、1期目は自主的な選択をした合併を、他のどこにも負けない合併に仕上げるため、希望・安心・活力の笑顔ゆきかうふるさとづくりに全力投球し、平成25年1月からの2期目は、1期目の成果を踏まえつつ、就任当初にお伝えしていました時代の流れの3つの波を乗り越えるため、時代を先取りし、新時代の5つの基盤づくりを柱に、市民力で心の通い合う安心社会の実現に向け、各施策に全力で取り組み、一歩一歩着実に実行してきました。
 この間、合併10周年の記念すべき年を市民皆様方と融和の中で迎えることができ、また臼杵の将来像を定めた第2次総合計画と臼杵市まち・ひと・しごと創生総合戦略を先駆けて策定し、少子化対策や移住定住対策に力を注いできました。
 2期目の3年8カ月間の成果と課題につきまして、私が掲げた5つの基盤づくりをもとに総括いたします。
 まず、1つ目の子どもたちが希望や誇りをもち、たくましく育つまちづくりについてであります。
 子育てにつきましては、私の2期目の政策の大きな柱でありました子育ての中核施設、子ども・子育て総合支援センター、いわゆるちあぽーとを本年1月に開設し、妊娠期から18歳までのあらゆる子供たちに、そしてまた保護者が集い、相談し、行政サービスをワンストップで提供できる場が整いました。また、保育につきましては、市内認可保育園の改築がほぼ完了するとともに、昨年から保育料を大幅に見直すなど保育環境の改善を図りました。
 医療費におきましては、小中学生の入院医療費を無料化し、通院医療費の助成も実現しました。
 教育分野では、学校施設の耐震化を完了させ、また全小中学校への学校図書館専門員を配置し、読書のまちづくりを推進してきました。
 多くの保護者の皆さんから切望され、懸案でありました、遊具を備えた公園の整備につきましては、臼杵市総合公園と野津吉四六ランドに、子供たちが楽しく遊べる大型の複合遊具を設置したことで両地域の核となる公園が整いました。親子連れや子供たちなど多くの方々にご利用いただいております。
 次に、2つ目の高齢者が安心して生き生きと暮らせるまちづくりにつきましては、まず健康寿命を延ばすための取り組みを大きな柱として、子供から大人までの連続した生活習慣病対策や食育の推進に取り組み、特に臼杵市医師会とは、様々な連携が円滑に進むよう、顔の見える関係の構築に努力してきました。
 また、うすき石仏ねっとについては、医師会を中心に医療、介護、行政の官民一体となったネットワーク、とりわけ関係機関の人的つながりが、どこにもまねのできない取り組みとして全国的に評価されております。
 この石仏ねっとを初め、医療、介護、高齢者施策の様々な取り組みを進めてきました。また、医療、介護関係者と共同で取り組んだ在宅の医療介護事業プロジェクトZは、住みなれた地域や自宅でいかに医療と介護を提供できるか、具体的ケースを対象に検討する仕組みができ上がるまでに至りました。
 認知症対策では、医師会、大分大学などと共同で、認知症を考える会を組織し、啓発、予防、早期発見、早期治療を掲げ進めております。こうした対策が評価され、平成27年度からは、大分県、大分大学、東芝、臼杵市が連携し、生活習慣と認知症発生の関連を探る産学官連携の実証研究を進めております。また、認知症を初めとする高齢者や子供たちの見守りにも有用なICTを活用したシステム研究を進めています。費用対効果などの検証を進め、活用が可能になれば、安心・安全に大きく寄与するものと考えております。
 次に、3つ目の安全性を高め、災害に強いまちづくりにつきましては、東日本大震災以降、地域防災の基盤を強固なものにするため、防災訓練や研修など、防災・減災対策に積極的かつ継続的に取り組んできました。市民の防災意識が一段と高まり、防災士の人数は人口比率で日本一を誇り、また、全国初となる女性防災士連絡協議会も発足し、自主防災会や地域振興協議会とともに自主的な啓発活動が活発化しており、連携強化も図られてきました。
 今後も引き続き、様々な災害に対応した訓練を重ね、自助、共助、公助の連携により地域防災力の向上を図る必要があると考えております。
 また、庁舎のあり方につきましては、現在の臼杵庁舎は、喫緊の対策として、耐震補強することとし、今月工事着工し年度内に完了させる予定です。抜本的対策については、市全体のまちづくりの議論を行う中で、市民のご意見をいただきながら検討を進めることとしました。野津庁舎は今年度、庁舎基本構想策定に取り組み、行政機能と地域活性化の観点を踏まえて進めていきたいと考えております。
 また、新臼杵港のアクセス道路につきましては、大分県と今協議を進めているところであります。
 次に、4つ目の産業を盛んにして、活力のあるまちづくりにつきましては、臼杵の豊かで特色のある資源を生かして、産業や観光の活性化に積極的に努めてきました。
 観光振興では、「臼杵で充電中。」をキャッチコピーにした観光戦略と、観光PRキャラクターほっとさんを活用し、県外への誘客活動を積極的に行い、特に東九州自動車道開通以来、福岡、宮崎へのPRによる効果があらわれていると感じています。
 平成26年5月には、観光客が最初に立ち寄る場として、臼杵市観光交流プラザをオープンし、臼杵の魅力を発信する拠点として機能を発揮しております。イベント開催や各種展示会などにより、中心市街地の活性化にも寄与していると考えております。
 また、サーラ・デ・うすきは、新たなまちのにぎわい創出の拠点とするため、臼杵の豊かな食の魅力を発信する臼杵の台所をコンセプトにリノベーションを行い、10月末にはオープンする予定としています。施設内には、加工施設を設置しますので、新たな加工品開発により、臼杵ブランドの6次産業化も進めていきます。
 農業振興では、安心・安全な農産物を提供する有機の里づくり推進によるほんまもん農産物の拡充や土づくりセンターでつくるうすき夢堆肥も定着してきました。
 水産振興では、海のほんまもん漁業推進協議会を新設し、旬の魚のPRや魚食普及の推進により、魚価の向上を図るとともに、海鮮朝市や海鮮食堂を開設することができ、地魚にこだわった多様な食、あるいは食文化の魅力発信を進めております。
 林業振興では、水源涵養の森づくりとして、間伐による森林整備を進め、里山整備にも取り組んできました。また、鎮南山一帯の景観を守るため、散策などで親しめる空間として環境林整備に着手しました。
 商工振興では、企業立地促進条例を見直し、企業進出や工場の新設・増設を促進する助成金交付制度を拡充するなど地場企業の支援や企業誘致に努め、雇用創出ができるよう環境を整備してきました。
 移住定住の促進につきましては、空き家バンクの登録制度や居住支援制度を創設し、充実させるとともに、移住モニターツアーを実施するなど幅広い取り組みを行い、加えて、子育て支援や教育、医療などを関連づけ、総合政策としてうすき暮らしを推進しております。
 また、移住定住や観光、食などの情報発信や暮らし体験に欠かせないものが、野津地域を中心とするグリーンツーリズムによる農泊体験であります。教育旅行を初め、移住希望者や外国の方々、観光イベントと連携した滞在プランによる観光客受け入れなど、年間を通じて多くの方々に臼杵の暮らしを満喫していただいており、交流人口の拡大に大きく貢献をしております。
 次に、5つ目の持続可能なまちづくりにつきましては、市民が主役のまちづくりを基本理念とする臼杵市まちづくり基本条例を平成25年4月に施行し、条例の理念と精神をまちづくりの基本と位置づけ、市民の方々と議会や行政が、ともに役割を担い、連携・協働しながら、市民が幸せを実感できるまちの実現を目指して進めております。
 また、総合計画で掲げたまちの将来像は、日本の心が育つまちから日本の心が息づくまちへと、古きよき日本の心が暮らしの中に溶け込んでいるまちにしたいという思いを込め、人や地域のつながりを未来に引き継ぎ、臼杵に愛着と誇りを持つことができる持続可能なまちを築いていけるよう目標達成に努めております。
 財政運営につきましては、合併算定がえの縮減を踏まえ、財源や資産の有効活用を図り、健全な財政運営を進めてきた結果、これまで主要な財政指標の改善が見られ、順調に推移し成果があったと判断しております。しかしながら、今後も少子化、高齢化や、そして人口減少による地方交付税や地方税の減少が見込まれるため、引き続き新たな財源確保に努めるとともに、行財政の改革を推進し、財政力の維持向上に努めなければならないと考えております。
 以上、述べましたように先行き不透明で時代の変化が激しく、人口減少時代にありながら、市民目線、市民に寄り添う姿勢で豊かなふるさと臼杵の将来のために、脈々と息づく歴史や文化、風土、暮らしを大切にするとともに、時代の変化にも臨機応変に対応しながら、新しいことにも積極的にチャレンジしてまいりました。
 振り返りますと、これまで市議会のご理解をいただき、市民との協働により各種事業を展開してきた結果、市民一人一人がみずからの手でみずからのまちを元気にしようという機運の高まりも実感でき、様々な分野で成果を上げることができたと考えております。
 しかしながら、積み残した課題もあります。

 また、2期目の任期中に、想像以上の大きな変革の波がありました。それは、消滅可能性都市の指摘であり、国の地方創生の提唱であります。
 臼杵にとって、加速化している人口減少に歯どめをかけることが、私は喫緊の課題であると考えています。人口の自然減を少しでも緩和し、社会減に歯どめをかけるため、あらゆる分野において、ハード、ソフト両面からチーム臼杵で取り組んでいかなければならないと考えております。
 そのために、昨年、臼杵市まち・ひと・しごと総合戦略を策定し、事業展開をしてきました。雇用の場づくり、移住定住策、子供を産み育てる環境づくりなどは、スタートさせたばかりであり、まだまだ事業を強化していかなければなりません。また、防災体制整備の取り組みもさらに充実する必要があると考えています。
 本格的にスタートした石仏ねっとや認知症対策などの医療、福祉、介護事業の推進もまだ道半ばであります。
 私には市政に携わる思いの根底には、人と人との信頼関係を大切にしたい、人と人とのつながりを大事にしたい、そして何よりも未来を担う子供たちに思いをつなげたいとの信念があります。その思いが自治会を初め、地域振興協議会や自主防災組織などの、そういうものへの支援や、子供や保護者に対する子ども・子育て支援、また、認知症対策や石仏ねっとの事業推進の原動力でもありました。そして、移住定住施策においても、遠方から移住してくる方々と、住みなれた地域で暮らしている人たちとのつながり、婚活活動における男女のつながり、そしてそれら人と人とのつながりを大事にしながら取り組んできた施策には成果が見られると、私の考えは間違っていないというふうに思っております。
 これまでの成果や私の思いについて、市民はどのように評価してくださっているのか、もう一度民意に問いたいという思いに至りました。
 このようなことから、私は次期市長選への出馬を決意いたしました。
 3期目は順調に進んできた施策は継続発展させ、強化すべき施策は重点的に進めていきます。これまでの希望、安心、活力をキーワードにした施策を継承しながら、特に昨年からチャレンジしてきた少子化対策、産業の活性化、そして、うすき暮らしの促進を3つの最重要課題として積極的に取り組みます。
 1つ目の少子化対策は、安心して子供を産み、子育てできる環境づくりをさらに推進し、若者が希望を持てる施策に取り組みます。若い世代が臼杵に住みたい、臼杵で子供を産みたい、臼杵で子供を健やかに育てたいと思えるよう、結婚、妊娠、出産、育児がしやすい環境づくりに積極的に取り組みます。特に、若者が臼杵で結婚し、安心して住んでもらえるような、婚活支援と若者のための住まい確保の施策を強化していきます。
 2つ目は、臼杵の資源を生かした各種産業の活性化の取り組みを行い、活力あふれるまちにしていきます。既存の商工業の振興はもちろん、臼杵の宝を生かした新たな産業の育成に努めます。これまで進めてきました有機の里づくり、ほんまもん農水産物の流通拡大、臼杵ブランド開発、6次産業化、水源涵養の森づくりの産業を育てる施策に取り組みます。
 また、観光振興においては、全市的に広がる仕組みづくりに取り組みますが、まず、その核となる中心部の観光化対策に注力をしていきます。野津地域の中心市街地についても、にぎわい創出に積極的に取り組みます。
 さらに、企業誘致にも積極的な展開を行い、若者の雇用の場づくりにつなげていきたいと考えています。
 3つ目は、移住定住によるうすき暮らしのための環境整備を促進します。
 自然、文化、風土、食、どれをとっても満足でき、住んでよかった、住み続けたいと誰もが思えるまちづくりを進めます。これにより、移住、UIJターンを考える方々が、何か懐かしさや新鮮さを覚える日本の心のふるさと臼杵を実感し、臼杵に住みたくなるような施策に取り組んでいきます。
 また、この3つの重要課題に加え、将来のまちづくりの基盤となる道路網の整備といたしましては、10年先を見据え、産業振興、交流人口拡大のための東九州自動車道の4車線化や防災道路も兼ねた南部環状線の検討とともに、幹線道路や生活道路の改良にも取り組みます。
 さらに、防災対策の重要課題であります臼杵庁舎の抜本的な対策につきましては、次の任期中に方針を決定したいと考えています。そして、未来につなげる2つの夢のある構想に着手をいたします。
 1つは世界記憶遺産の登録です。
 専門家は、世界が注目し今解明が待たれているマレガ史料と臼杵藩の史料は十分に価値があると評価していただいております。
 2つ目は、仮称でありますが祈りの回廊をつくることです。キリシタン大名、大友宗麟の風情を残す城下町の景観と、仏教文化を代表する国宝臼杵石仏、そして日本で唯一完全な形で残る下藤地区のキリシタン墓地を結ぶ祈りをキーワードにした包括的なストーリーをつくった上で、国内外の人間の心とか、宗教に関心を持っている人たちに訪れてもらう構想づくりを始めます。
 臼杵に残る類いまれな財産を世界に発信できるプロジェクトを立ち上げ、新たな臼杵の魅力づくりを行いたいと思っています。
 以上のような方針のもと、この生まれ育った臼杵市が厳しい荒波に負けず、九州の東海岸の一粒の真珠として光り輝くために、ふるさと臼杵を発展進化させたい。そして、さらに臼杵を住み心地一番のまちにしたい。その思いが強く、市民の信任をいただき、来期も市政の先頭に立ち、全力挙げてかじ取りしてまいりたいと考えております。
 以上です。

3 件のコメント:

  1. どこに書いていいか分からなかったので、それに市主催の催し物?だと思ったので書きます。
    へんてこな交差点のお蔭でモラルの無い歩行者が公園芝生側での催し物に行くのに車道を車きているのに平気で渡っています。
    それも高齢者、女性が多い事。
    警備員を置くか、横断歩道から横断歩道まで切れ目なく通学路によくあるガード?設置してもらえないか?
    事故が起こるまで警察も動かないだろうし。
    観光情報センター側ではやはり郵便局側へ平気で渡っています。
    それと催し物の時、よく搬入搬出時大きなトラックが歩道を完全にふさいで歩くのに車道に一時出て歩かなければなりません。
    とても危険です、特にお年寄りが。
    折角楽しませてもらっているのにとても危険な状態がずっと続いています。
    一部通学路にあたるのに、また赤信号で待っている子供の前で平気で渡る大人たちにうんざりしてしまいます。
    ちょっとだからといって歩道で押さずに原付きバイクで走るおばちゃん達
    こわ過ぎです。
    年末前に事故など起こらない様に、また起こらないからいいなんて思いモラル欠如な行動は慎んでもらいたいです。
    そうそう保育園~小学校?への送り迎えするお母さん方、時間が無いのか一旦停止守らず、前の車が遅いとかで子供乗せてるのに煽り行為は止めて下さい。
    自分で自分の子供を傷付ける行為ですよ、心身共に。
    色々書いてごめんなさい。
    優しい臼杵市であって欲しいです。

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  2. 私もこちらへ書かせて頂きます。
    県外知人と市役所に行った時の事です。
    総合受付があのような奥にあるのはどうしてなの、といわれました
    臼杵市民の方々は適当にその辺の窓口で聞いています、
    よそから来た人はどうも迷ってしまうようです。
    どうしてこのようなつくりになっているのでしょうか。
    お分かりでしたら教えて下さい

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  3. 市長さんのお仕事は激務だと思います。頭が下がります。
    文中に「これまでの成果や私の思いについて、市民はどのように評価してくださっているのか、もう一度民意に問いたいという思いに至りました」とありますが、これほど色々な事をやられてこられた方が日頃からの民意がどうなのか?を理解していないことの方が理解できません。日頃から市民と接する事が実際にはないのでしょうか。町職員、町長、副市長、市長と歴任されていると聞いていますが既においくらぐらいの退職金を頂いているのでしょうか。

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