2011年8月14日日曜日

消費税5%上げても財政収支赤字


日本経済新聞より引用
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内閣府は12日の閣議に、2020年代前半までの中長期の経済財政試算を提示した。

社会保障と税の一体改革に沿って消費税を15年度までに5%上げた場合でも、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字は20年度に17.6兆~18.3兆円にのぼる。政府が目標とする20年度の黒字化を達成するには、消費税換算でさらに7%程度の収支の改善が必要となる。

国と地方の債務(国債や地方債)の残高は10年度の827兆円から大幅に増え、20年度には1184兆~1189兆円と1000兆円を突破する見通しだ。

PBは、毎年度の政策に必要な経費を借金に頼らずに賄えているかを示す。試算は20年度までの名目成長率を1%台後半と見込んだうえで、13年度から15年度までに消費税を段階的に10%に引き上げるとした。そのうえで、東日本大震災からの復興費用を賄う臨時増税期間を5年と10年の2通り設定。5年の場合は20年度のPBの赤字は17.6兆円、10年は18.3兆円とはじいた。

15年度のPBの赤字は15.5兆円前後で、名目国内総生産(GDP)比で3%と予測。同年度の赤字のGDP比を10年度から半減する目標は達成可能とした。

一方、名目で3%台の高成長を見込む想定でも、20年度のPBの赤字は9.1兆~9.9兆円残る。与謝野馨経済財政担当相は12日の閣議後の記者会見で「15年度を過ぎた段階で、歳出入改革をもう一度やらないといけない」と語った。

政府は12日、12~14年度予算の大枠を決める中期財政フレームを閣議決定した。11年度当初予算の編成方針を踏襲し、国債の元利払い費に充てる国債費を除く政策経費を71兆円以下、新規国債発行額を44兆円以下に抑制する。

臨時増税などで財源を賄う東日本大震災の復興経費や、B型肝炎訴訟の和解金支払いの一部は通常の予算と別枠の扱いとする。中期財政フレームの達成には高齢化に伴う社会保障費の自然増により、年1兆円以上の歳出削減が必要になる。

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