2013年3月22日金曜日

男女共同参画推進条例に反対します

今議会に「臼杵市男女共同参画推進条例の制定について」 が提案されています。多くの「都道府県」「市町村」で制定が進んでおり、条例制定の趣旨自体には賛同するものです。

それぞれの自治体で条文が若干違っています。今回の臼杵市の条例案の一部に、臼杵市に多大な負担を強いる恐れがある部分が見受けられますので、最終日25日の本会議で「反対討論」することにし、本日「事前に」通告書を送付しました。

-------以下、「通告書」より

第6号議案 「臼杵市男女共同参画推進条例の制定について」

 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、男女がともに思いやりを支えあう社会を実現することを目的に制定されるものであり、条例の趣旨には大いに賛同するものであります。

 しかしながら、「基本理念」を定めた第3条第4項において、「男女共同参画の推進は、男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たすとともに、職業生活その他の社会生活における活動を行うことができるようにしなければならない。」と規定されています。

 また、市の責務を定めた第4条においては、「基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」と規定されています。

 これらにより、「家庭生活における活動」「職業生活その他の社会生活における活動」において男女の区別なく同等の参加機会が与えられることや利益を享受する権利が求められ、市は、それを実現するためのあらゆる施策を講じる責任を負うことになります。

 以上により、本条例案については、今後、市に対する多大な負担を生じさせる恐れがあるため反対いたします。

11 件のコメント:

  1. 「家庭生活における活動」「職業生活その他の社会生活における活動」において男女の区別なく同等の参加機会が与えられることや利益を享受する権利が求められ、市は、それを実現するためのあらゆる施策を講じる責任を負うことになります。
    ってありますが、例えばどんな負担が今後考えられますか?

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  2. 「多大な負担を生じさせる恐れがあるため反対」となれば「例えば?」となりますね。臼杵市の「目標設定」が高すぎるという言い方のほうがよいかもしれません。

    臼杵市の条例案において「男女共同参画」とは「男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によってあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。」とされています。

    問題の箇所の「基本理念」として「男女共同参画の推進は、男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の社会生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たすとともに、職業生活その他の社会における活動を行うことができるようにしなければならない。」とうたっています。

    そして「市の責務」として「基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」とされています。

    現状を踏まえたときに「男女共同参画の推進に関しての市の果たすべき責務の目標設定が高すぎる」との思いを抱きます。言わば「目標を果たすために多大な負担を強いられる恐れがある」ということです。

    ちなみに大分県の「男女共同参画推進条例」と臼杵市の条例はほぼ同じですが、前述の「基本理念」が大分県では「男女共同参画の推進は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。」とされています。

    「旨として」という言葉が用いられることにより、結果を求めるのではなく、「主として重んじる」という意味合いを含んだ書きぶりとなっています。

    他の「基本理念」の箇所は大分県と同じように「旨として」或いは「できる限り」という記述が用いられています。市の責務も大分県と同様の記述でよいと思うところです。

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    1. 前記の最後部分修正

      「市の責務も大分県と同様の記述でよい と思うところです。」

      「市の責務を生じせしめる基本理念は、大分県と同様の記述でよい と思うところです。」

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  3. なぜ条例と名のつくものは、分かりづらい文章を使うのでしょうか?
    ワザとですか?全然市民目線でないような気がします。

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    1. 臼杵市では、できるだけ平易な言い回しをするように努めてると思います。しかし、条例は法律の「地方版」と言えるもので、それだけあらゆることを想定して作らなければならないもの、難しい言い回しになりがちです。だからこそ、解説が必要です。今回は「パブリックコメント」を行わなかったこともあり、理解が進んでいないままの条例制定となった気がします。

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  4. 先日の臼杵市まちづくり条例に関して、行政・議会・市民の相互の関係性についての記載がありましたが、臼杵小移転問題やその他に関して、行政の議会軽視が度々問題視されました。行政自らが三者の関係性を瓦解させているのですから、条例など策定しようが、絵に描いた餅にしかならないでしょう。どこかにある条例を引っ張ってきて、それをただコピーして臼杵市に当てはめようとするのではなく、現実的に臼杵市に合ったものを時間をかけてでも策定するべきではないでしょうか。

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    1. 今回の条例案が示されたときに「なぜパブリックコメントしないのか」という疑問がありました。「県や他の市町村も制定が進んでいる条例。委員会に意見を聞いた」との説明でした。

      男女共同参画の推進という観点では「必要な」条例と思いましたし、横並びの条例なら「パブリックコメント」まで行わずともよいのではないかと判断しました。本会議を前に条例案を検討していて先のような問題点があると判断したところです。軽率な判断であったと反省しています。

      男女共同参画社会の実現は大変困難な課題です。どこまで男女の性差による「違い」を認めるかについては十分な議論が必要です。国や県の条例をコピーした条例を策定しても何の実効を上げられません。かといって十分な議論を経ないまま重い課題を背負うこともできません。

      「現実的に臼杵市に合ったものを時間をかけてでも策定すべき」という点、当を得た指摘と思います。

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  5. 報道が中国との緊張を喧伝していますね。
    レーダーをロックオンしたかとかなんとか、「今までロックオンされたことないのか」を報道していません。私が自衛隊にいた頃、自衛隊機がソ連機から「ロックオン」どころか、機銃を向けられても騒ぎになったことはありませんでした。日本のミサイル基地からは適当にロックオンをやったりもしていました。全然大したことではないのです。 まったく大したことではないのに芝居をやっている。
     阿久根市の「条例や予算の専決」に対する騒ぎによく似た感じです。「条例や予算の専決」はどこの自治体でも年がら年中やっていることです。それを騒ぎ立てて特別なことをやっちまったかのように報道しました。「いいかげんにしなさい」と言いたい。
     総理大臣が先頭に立って対策を取っているかのように見せています。急ぎ足で歩く姿も頼もしい。でも、「あ~アホくさい、イヤラシイ」。自民党は『利権党』だから戦争産業界が期待するのです。どうでも自衛隊に戦争をさせたい人たちが騒ぎを作っています。偶発的に起こる戦争などありません。歴史教科書は嘘だらけ。現場は騒ぎにする権限はありません。国にやる気がなければ完全無視です。日本は報道管制下にあります。中東への自衛隊派遣で35人もの自衛官が亡くなったのに報道はないのです。
    ----------前阿久根市長 竹原信一のブログより引用--------------

    なぜ条例が必要なのでしょうか?

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    1. 必要かどうかについて「的確」に説明するのは難しいですね。

      男女共同参画社会の実現を目指すという崇高な目標に向けて、国が法律を作り、県が条例を作り、そして市が条例を作ろうとしています。

      現実はなかなか男女が「対等」とはなりませんので、法律も県条例も努力目標という書きぶりとなっているようです。

      今回の臼杵市の条例案で前述の点のみが「必ずせねばならない」こととして規定されていますので「反対」となるわけです。

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  6. 根本的なところについて,一つ質問いたします。

    若林先生は,条例趣旨に「賛成」するとのことです。では,先生は,男女共同参画は,本来あるべき姿と考えておられるのでしょうか。それとも,そうあることが望ましいと考えておられるのでしょうか。

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    1. いつもありがとうございます。

      そうあることが望ましいと考えています。

      本来あるべき姿とは考えていません。ゆえに「そうあるべき」という考え方に基づき「そうしなければならない」と基本理念にうたうことについて懸念を抱いたところです。

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