コロナ愚策をやめた英国2022年1月20日 田中 宇
英国のボリス・ジョンソン首相が1月19日、新型コロナに関する政策を大幅に見直した。イングランドは即日開始し、スコットランドなど自治を持つ諸地域はそれぞれに最終決定するが、これは全英的な措置になる。新措置の中心はコロナワクチン強制と接種旅券体制の廃止で、1月26日までの期限になっている今の接種旅券体制を更新せず終わらせる(医療者に対してだけはワクチン強制が続く)。屋内でのマスク義務も1月20日から解除する。企業などの従業員に対するリモート勤務の強制策も廃止し、コロナ愚策の柱だった都市閉鎖とワクチン強制が終わりになる。ワクチン非接種者に対する行動規制や自宅軟禁策は3月24日まで続く。だが接種旅券体制が終われば、非接種者に対する規制は実効性がなくなる。1月中に、接種せずマスクをしなくても取り締まられずに街や店内を闊歩できる。 (England Ends All COVID Passports, Mask Mandates, Work Restrictions) (Boris Johnson announcement: Covid vaccine passports axed as plan B restrictions set to be lifted)
コロナ愚策にはもうひとつ、偽陽性など誤診断を多発させるPCR検査を絶対の判定とみなしてゼロコロナ策をやるという領域がある。この側面についてジョンソンは具体的なことを言っていない。だがジョンソンは、それよりも包括的で重要な宣言を発している。「(ほとんど重症化しない)オミクロン株の感染が山を越え、新型コロナは(パンデミック=危険な世界的感染症から)エンデミック(ヒトが共存できる大したことない風土病)に変わった(Covid becomes endemic)。そのため英政府はコロナ対策を、法的な強制から、人々が政府の忠告を受けつつ自分で慎重に判断するものへと変えることにした」という趣旨を、ジョンソンはさらりと宣言した。ジョンソンは、コロナが英国でエンデミックになったと明言している。これは重大だ。 (PM statement to the House of Commons on COVID-19)
コロナに対する世界のすべての愚策は、コロナがパンデミックであるという認定に依拠している。一人でも感染してはならないとても危険な伝染病だから、もしかしたら感染しているかもしれない、といった程度のいい加減さのPCR陽性が一人でもいたらその街を2週間全部閉鎖するゼロコロナ策が採用された。ワクチンは効きそうもないと最初からわかっていても、一応コロナ用に作られたのだから全員が接種せねばならず、効かないなら繰り返し打つことも強制される。マスク義務も、繁華街や学校の閉鎖も、すべてコロナがパンデミックだからだ。コロナが危険さを低めてエンデミックに変身したのなら、あらゆるコロナ愚策が不必要になる。ジョンソンの新政策の要諦はそこにある。エンデミックなら感染発症しても健康な人ならまあ大丈夫だ。コロナは英国において、風邪やインフルと同じになった。 (The Last Days of the Covidian Cult)
世界はパンデミックの感染拡大防止策として、PCR検査を「コロナに感染したが重症化していない人」を探し出すために使ったが、PCRでウイルス付着量の少ない軽症以下の感染者を判定するのはもともと不可能だった。付着ウイルスが少なくても増幅すれば見えてくるはずだと思って増幅すると、無数の「ゴースト・枯れすすき」が出現し、お化けがいないのにお化けに見えてしまう偽陽性が頻発する。PCRは軽症以下の人でなく、かなり発症してウイルスが体内にたくさんいそうな人を検査して「やっぱりコロナのようだ」と医師が確信を強めるための道具だ。それがわかっていたのに、WHOなど世界の権威ある医者たちが、わざと使い方を間違えるインチキをやってきた。エンデミックになると、感染拡大を防止する必要が大幅に低下する。PCR検査は今後のインチキ終了後、インフルエンザの検査などと同様、発症者への治療法を確定するための医師の診断の目安の一つとして、低い増幅度で使われるようになっていくだろう。中程度以上に発症して体内のウイルス量が多ければ、低増幅PCRでも抗原検査でも陽性になる。健康な人はPCR検査すべきでない。誤診してくださいと申し込んでいることになるからだ。 (コロナ危機誇張の要諦はPCR検査)
英国ではコロナがエンデミックになった。だが世界的にコロナはまだまだパンデミックだ。WHOがそう言っている。英国だけコロナの脅威が大幅に低下しました、っておかしいでしょ。ジョンソン首相はこっそり開いた酒宴がばれたスキャンダルで低下した人気を復活させるために、ありもしない脅威低下をでっち上げてエンデミック宣言して、国民に不人気な接種旅券をやめることにしただけじゃないんですか??。コロナ愚策を恒久化したいマスコミとその軽信者たちは、そんな風に言っている。 (Pfizer CEO Predicts Life On Earth "Will Return To Normal" In The Spring)
しかし私の前回の記事「コロナワクチンもうやめて」を読んだ人は、今回の英国の転換が、それよりはるかに重要な、効かないmRNAコロナワクチンが自然免疫低下の薬害を起こすことを避けるための接種停止の措置であることを知っている。前回記事で紹介したように、英政府のワクチン政策の権威クライブ・ディクスは10日ほど前に、今回のジョンソンの宣言とほぼ同じことを言っている。前回記事では、ロンドン大学の教授(David Heymann)が「英国は国民の90-95%がコロナの免疫を獲得し、北半球で最も免疫率が高く、すでに集団免疫に達したようなので、もうワクチンの強制は不要だ。英国人にとってすでにコロナは風邪だ」と言っているのも紹介した。ジョンソンの今回のエンデミック宣言は、これらの英国の権威筋の見立てに基づいている。 (コロナワクチンもうやめて)
英国が集団免疫に達したかどうかは確定できない。それより重要なのは、オミクロンになってコロナの重篤性が大幅に下がり、どうみてもエンデミックでしかない状況になっていることだ。そして、ワクチンの反復接種が自然免疫を破壊する可能性の増大。それなのにWHOは今後もずっとパンデミック宣言を解除せず、人類とくに先進諸国の人々に反復接種させようとしている。反復接種による免疫破壊は、とくに自然免疫が強い子供たちの人生を台無しにする。英国の上層部は、国民をそんな目に合わせることはできないので、これまでコロナ愚策で独裁体制の強化を享受してきたのをやめて、自国だけ集団免疫に達したことにしてコロナをエンデミックに格下げし、ワクチン接種を不要にした。 (コロナはすでに終わっている)
英政府が、いきなり反復接種の危険性を大っぴらに公言して接種を全停止すると、WHOやワクチン推進派との対立を激化させて円滑に転換できなくなるし、すでに反復接種している英国民から行政訴訟を起こされ、野党から猛批判される。WHOは中国に牛耳られており、中国は米英覇権を自滅させて自国を優勢にする多極化のために、米英やNATO諸国にワクチンを反復接種させて欧米人のとくに子供たちの免疫を破壊したい。これは隠然とした覇権の戦いでもある。だから英政府は、ワクチンの危険性を言わず、接種した方が良いという姿勢を維持しつつ、まず英国民への接種義務を解除し、エンデミックになったと宣言した。ワクチンが効かないのはすでにみんな知っているので、エンデミックなら接種は不要だ。 (生来の自然免疫を壊すコロナワクチン)
英国では最近、国立病院の医師がビデオ診療で、女性の患者に対し「コロナワクチンは間もなく(効かないことが公式化して)流通停止になる。もう接種しない方が良い。とくに子供への反復接種はやめなさい」という趣旨のことを述べている動画がネット上で拡散している。この動画を贋作だという人もいるが、ジョンソンら英国の権威筋の最近の動きから見て、この医師の発言は方向的に間違っていない。動画が偽物だという人の方が売国奴の疑いがある。 (Shock Video: Doctor Tells Patient Not To Take Vaccines Because They’ll Soon be Pulled)
これまで反復接種を国民に強要してきたイスラエルでも最近、政府のワクチン政策の権威(Cyrille Cohen)が「オミクロンで、コロナは風邪みたいなエンデミックになる。接種旅券はもはや概念として正しくない。イスラエルも間もなく接種旅券をやめる。ワクチンが感染拡大を止めなかったのは驚きの失望だ。感染を容認して集団免疫に達するしかない。教育分野(子供たち)にコロナ対策を広げるべきでなかった。深く後悔している(反復接種で子供たちの免疫を破壊したから?)」という趣旨を述べている。前回記事で紹介したように、イスラエルでは最近、テルアビブ大学の教授(Ehud Qimron)も、コロナの愚策を全て批判する公開書簡を政府あてに出している。 (Israeli vaccine advisor: “We have made mistakes”) ("Doomed To Fail" - Top Immunologist Blasts Global COVID Response Driven By "False Propaganda")
他の欧米諸国でも今後、ワクチン強制などのコロナ愚策をやめようとする動きが広がるだろう。コロナ愚策に反対する人々の集会やデモも拡大している。少し前までインチキなコロナ危機が世界的にまだまだ続くような感じだったが、状況は急速に変化している。 (Thousands protest against tougher Covid rules in France)
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