2012年12月4日火曜日

3ヶ月遅れの市長の行政報告

おはようございます。9月定例市議会の開会にあたりまして、議員各位にはご参集をいただき、付議議案のご審議をいただけますことに感謝申し上げます。さきの6月定例会以降、現在までの市政運営事項についてご報告申し上げます。

まず初めに、防災関連について報告いたします。
7月初めに大分県北西部を襲った集中豪雨は、中津市、日田市、竹田市を中心に甚大な被害をもたらしました。この九州北部豪雨による災害支援のため、臼杵市では日田市、竹田市へ職員を12日間、延べ96人を派遣しました。その後、大分県市長会からの要請により、8月27日から10月12日の間、7人の土木職員を日田市に派遣します。また、被災後すぐに竹田市森林組合から配水池損壊のための水支援要請により、後藤國利氏から臼杵市へ寄贈いただきました500ミリリットルのペットボトルの水2万4,000本を、臼杵市として職員6名がトラック5台で竹田市にお届けしました。

さらに、義援金の窓口を庁舎などの公共施設に設置し、8月31日まで開設するなど、これまで様々な災害支援を行ってきました。なお、9月3日現在で195万3,049円の義援金が集まりました。最終集計した後、早い時期に日田市、中津市、竹田市へお届けしたいと考えています。

今回の九州北部豪雨では、臼杵市は大きな被害はありませんでしたが、やはり災害はいつどこで起きてもおかしくないと改めて痛感し、地震、津波だけでなく、水害対策にも再点検が必要であると感じました。支援活動に従事した職員は、被災現場の片づけや避難所の運営に直接携わったことで、手法やノウハウを得たことと思いますので、今後の災害発生時に生かしていけるよう、しっかりと準備していきたいと考えています。

 7月3日、避難所開設及び運営訓練事前研修を実施しました。
 この研修は、本年11月11日に、県南3市を中心に、東南海・南海地震を想定した大分県総合防災訓練のプレ研修です。臼杵市は、全国的にも数少ない取り組みと言われる避難所開設及び運営訓練を実施することにしております。この訓練は、災害時の円滑な避難所の運営を目的とした住民参加型の実践的訓練であるため、公的機関はもとより、市内の福祉施設など関係機関からのスタッフを集め、周到な準備が必要となります。研修の講師には、内閣府防災ボランティア活動検討会委員や中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ委員を務められている大分県社会福祉協議会専門員の村野淳子さんをお招きし、行政、消防、福祉、医療、教育、自治会、地域ボランティア団体などが、訓練当日まで全4回研修を行い、入念に役割を把握し、それぞれが連携を図り、当日は万全な体制で臨みたいと考えています。
 7月28日、29日の2日間、防災士養成講座を実施しました。
 臼杵市では、今年度の防災対策の柱を「地域の防災力の向上」と定め、自主防災組織を中心にその核となる防災リーダーを養成する計画です。第1回目の講座では、100名の募集に対して予想をはるかに上回る168人が受講し、会場を急遽変更することとなり、関心の高さとともに大変心強く感じたところであります。なお、第2回目の講座は来年2月を予定しています。

 次に、防災関連以外の市政運営について報告いたします。
 6月15日、7月6日の2日間、認知症キッズサポーター養成講座を下南小学校で開催しました。この講座は、臼杵市独自で県内初の取り組みとなる小学生を対象とした認知症講座です。下南小学校5年生36人が受講し、講師には大分赤十字病院、認知症看護認定看護師の松本まりさんをお招きし、絵本や紙芝居式のDVDを用いた講義やグループワークなど、子供たちにもわかりやすい授業をしていただき、子供たちはこの講座を通じて認知症の症状や患者との接し方を学び、認知症に対する理解を深めることができたのではないかと思っています。講座修了後には、臼杵市オリジナルのキーホルダーをキッズサポーターのあかしとしてお渡ししました。今後は、この下南小学校をモデルとして、市内各小学校で順次講座を開催したいと考えています。
 また、6月24日には、なるほど認知症講座in戸上を、旧戸上小学校体育館で開催しました。この講座は平成22年度から小学校区単位で開催しており、当日は大分大学医学部木村先生から講演をいただき、その後、希望者には脳の健康チェックとしてタッチパネルを利用したテストを行いました。市が医師会と大分大学医学部との連携を図り、テストの結果に基づき、必要な方は2次検診を行い、認知症の疑いが強い方は主治医へつなげるという臼杵市独自のシステムを取り入れています。
 臼杵市では、今後も高齢化に伴う認知症患者の増加が予想される中、認知症の正しい理解の普及啓発と早期発見、早期診断のため、様々な認知症対策の取り組みを継続して実施していきたいと考えています。
 7月13日から21日まで、大分県無形民俗文化財・臼杵祇園祭が開催されました。
 県内三大祇園まつりの一つとして江戸時代から受け継がれており、ことしも雨が降ることなく盛大に行われました。勇壮な行列は、市民皆様の誇りと心意気を強く感じたところであります。
 7月21日、臼杵魚市場で、うすき海鮮朝市が始まりました。毎週土曜日の朝7時30分から開催し、臼杵近海で水揚げされた新鮮な魚介類を仲買人が競り落とし、その場で安く販売します。多くの市民や観光客の方々でにぎわい、臼杵の味を楽しんでいただきたいと思っていますし、市といたしましてもこれらが定着するよう、積極的に支援していきたいと考えています。
 8月1日、旧臼杵藩主稲葉家下屋敷内に呈茶コーナー「茶房 下屋敷」がオープンしました。4月にリニューアルオープンした稲葉家下屋敷内の蔵の活用として企画したもので、出店の公募を行った結果、喜楽庵さんが出店することとなりました。
 市民や観光客の方に気軽に立ち寄っていただき、お縁に座って庭を眺めながら、ゆっくりとくつろいでいただき、抹茶と甘味を楽しんでいただければと思っています。
 また、これまで工事中でありました稲葉家下屋敷前の市営駐車場が完成し、無料で駐車できるようになり、市民の方や観光客の方々にはお気軽に利用していただき、臼杵の町をゆっくり散策していただきたいと考えています。
 8月1日、臼杵市でおおいた広域窓口サービスが始まりました。これにより、参加する県内の14の市や町の窓口で住民票の写しや印鑑証明、戸籍謄本などの各種証明の交付が受けられるようになりました。臼杵市民の方で、仕事等で大分市や津久見市で働いている、あるいは用事で行っている場合などには便利なサービスです。
 現在、未加入の市町村もありますので、今後、県内すべての市町村でサービスが受けられるよう期待をしているところであります。
 8月8日、平成24年度の子ども市議会が開催されました。ことしは市内小学生21人が議員や議長、事務局長を務め、臼杵の防災や高齢者対策を初め観光や地域の活性化、また臼杵の学校給食の安全性などについて、子供の視点から鋭い質問が多くあり、今後の市政に生かしていきたいと考えています。また子供たちには、この貴重な体験を通して臼杵市の将来を担う人材に育っていただきたいと思いますし、また大いに期待しているところであります。
 また、8月18日には、郷土を大切にする心を養ってもらおうと、6回目となる臼杵大好き臼杵っこ検定を行いました。受験者は過去最多となった昨年を上回る市内小・中学生148人が、臼杵の歴史や文化に関する問題に挑戦しました。その結果、8人が90点以上の上級認定者となり、上級認定証が授与されました。
 上級認定者だけに限らず、受験するために一生懸命勉強した子供たちが、ふるさと臼杵について考え行動し、郷土を愛し、誇りに思う子供たちが増えていくことを期待しています。
 8月10日、臼杵山内流游泳大会が行われました。市内外から66人の児童や生徒が参加し、20日間にわたる練習の成果を披露してくれました。特に、大きな旗や花笠を持って泳ぐ渡海は見ごたえ十分で、大きな拍手が贈られていました。
 翌日の8月11日、江戸時代から続く臼杵山内流がことしで190周年を迎えることとなり、記念式典が日本水泳連盟など関係者の参加のもと、盛大に開催されました。長く指導等に尽力された方々に対する功労者表彰や記念誌の発行、また伝統泳法承継のため、泳法の記録映像をおさめたDVDを作成し、関係者の皆様に披露されました。
 少子化に伴い、入所者が年々減少している中ではありますが、全国12流派のうち、唯一公営で運営されている、この貴重な伝統的な泳法をこれからも多くの子供たちに伝え、また指導者の育成にも取り組み、大切に後世に受け継いでいかなければならないと考えています。
 8月17日から19日まで、本年の日中国交正常化40周年を記念した日中友好交流都市中学生卓球交歓大会が中国北京で開催され、臼杵市からは北中学校3年生の男子と野津中学校3年生の女子が、友好都市である敦煌市の中学生男女とペアを組み、合同チームで参加しました。大会は、4年前の北京オリンピックで卓球競技が行われた体育館において参加全83チームで実施され、臼杵市・敦煌市チームは予選リーグを突破し準々決勝まで進み、ブロックで5位という成績をおさめました。競技を通して、敦煌市の中学生とともに汗を流し、喜びを分かち合えたことで、お互いに友好親善の交流が深められ、参加した2人の中学生にとりまして大変貴重な体験になったようでありました。
 8月23日、市民会館で、人権・同和問題講演会を開催しました。
 講師には、平成6年に発生した松本サリン事件で、被害者でありながら犯人扱いをされた、そういう苦い、苦しい体験を持つ河野義行さんをお招きし、「サリン事件冤罪の構造」という題で講演をしていただきました。河野さんは、サリン事件はオウム真理教が起こした事件と判明し、無実が証明されるまでの1年間、警察やマスコミに世間が刷り込まれて容疑者扱いをされるという、冤罪の恐ろしさを語っていました。会場に集まった800人を超す参加者は、河野さんの話に耳を傾けながら、18年前の事件を思い起こし、信念の強さや家族あるいは夫婦のきずなの強さ、そして大切さを感じたのではないかと思います。今後も、市全体で人権や同和問題を考え、理解を深める機会を積極的に企画していきたいと考えています。
 8月22日、大阪の造幣局で、地方自治法施行60周年記念貨幣の打初め式がありました。大分県の500円記念硬貨の図柄に、国宝臼杵磨崖仏の大日如来が選定され、来年1月ごろから金融機関の窓口で額面どおり引きかえが行われると聞いております。磨崖仏としては全国初の国宝に指定された臼杵石仏が、大分県の風土や文化を代表し、末永く愛されるデザインとして評価していただいたものと思っております。
 その国宝臼杵石仏で、8月25日、恒例の臼杵石仏火まつりを開催し、およそ1万4,000人の方が訪れました。古園石仏で供養法要が行われた後、参道や深田地区一帯に並べられたおよそ1,000本のたいまつやかがり火に点火され、ゆっくりと幻想的な炎が石仏の里全体に広がり、訪れた人々にはかがり火に照らされて浮かび上がった石仏の姿を堪能していただけたと思います。
 8月25日、26日の2日間、江戸時代に実在した二孝女が取り持つ縁により、茨城県常陸太田市から大久保市長、茅根前市議会議長を初め二孝女顕彰会の訪問団、総勢27名の方が臼杵市を訪れました。
 平成17年に、常陸太田市の青蓮寺で二孝女に関する書簡が発見されたことをきっかけに、これまで民間レベルでの交流が進んでいました。二孝女が父と再会して200年目であった昨年、野津町きっちょむ史談会が常陸太田市を訪れ、お礼の訪問を行いました。当時と変わらず、温かく迎えていただいたと伺っています。そしてこのたび、常陸太田市から、二孝女の育った環境を見聞したいということで臼杵市を訪問されました。
 25日には、相互の訪問を契機としまして、両市の交流を今後ますます深めるため、稲葉家下屋敷におきまして交流促進協定を締結いたしました。協定の内容は、①二孝女関係資料の交換展示②小・中学生の文化・教育交流③観光交流、特産品交流④災害時の支援に向けた体制づくり⑤職員の人事交流の5項目で、吉岡臼杵市議会議長と茅根前常陸太田市議会議長の立ち会いをいただき、大久保市長とともに署名をし、交流促進の確認をいたしました。
 また、常陸太田市の訪問団の方々には、臼杵の町並み散策や石仏火まつりを見学していただき、そして野津の農泊家庭に分かれて一晩を過ごし、翌26日には二孝女の生まれ育った川登地区を訪れ、川登小学校との交流や二孝女供養碑前での法要に参列し、その後、野津町きっちょむ史談会主催で、歓迎会と交流会が盛大に行われ、訪問団の方々は、二孝女のふるさとを堪能できたのではないかと思っております。
 今後も、協定項目に沿った交流を通じて、親子のきずなや支え合いの心の大切さを醸成し、二孝女の実話を後世に語り継ぎ、友好交流を発展させていきたいと考えています。
 以上、6月定例会以降の市政関連事項につきまして報告を終わります。

0 件のコメント:

コメントを投稿