2023年3月22日水曜日

旧野津高校跡地問題の速やかな解明を求めます

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地域振興の拠点として期待された旧野津高校の跡地、臼杵市は民間活力を導入することとし、施設の運営事業者を公募「NEXT FARM(ネクストファーム)」を選定しました。

改修費4億400万円をかけ臼杵市が施設整備を行い、家賃(年額140万円余り)を10年間無償とする条件で貸し付けが行われました。

期待を集めて昨年8月オープンしましたが、今年2月末、わずか半年余りで事業撤退、臼杵市に支払うべき133万円の共益費も滞納となっています。

「事業者の選定についてはどこを見誤ったと考えているか」の質問に対して、市長は「選考手続きに問題はなかったと考えているが、こうなった以上は検証したい」と答えました。

多額の費用をかけた事業ですが、ことの次第を知らされていない市民も多く、速やかに検証し、原因を明らかにする必要があります。
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野津高校は、2014年に閉校、その後の活用が課題となっていた。2017年3月に大分県から有償譲渡を受けるにあたり、市長は「地域活性化や地域振興に結びつくような活用」をすると表明。

当初は「農林業の振興に寄与する活用」という考えで「就農希望者や農林業従事者の研修、地域住民の交流の場」という公共施設整備の方針であった。

その後、民間事業者からの活用打診や提案を受ける形で、民間活力の導入が検討され、事業者の公募に至った。

公募は2020年2月初めに市のホームページに掲載、3月末の締め切りに応募は1社だけであった。選定審査委員会が6月に組織され、審査が行われた。

審査には、臼杵市から田村副市長、加島政策監(当時)、有識者の視点から、金融機関(大分銀行野津支店・大分県信用組合野津支店)、起業創業の専門家、農業関係者などの7名、地域に根差した施設とするために、審査委員のほかに久藤議員(当時)、野津地域の農業関係者、商工業関係者、観光関係者、自治会関係者の方々に審査に同席してもらい意見を聴取した。

審査の結果は、不採択基準点はクリアしたものの1190点満点中771点で、採択には至らず「採択基準を満たしたことから、優先候補者とはするものの、事業計画については継続して協議を行うこととする」とされた。

審査結果の取扱方針として「事業計画について精度、熟度を欠く部分が多いため、引き続き協議を行う」と市長に報告された。

その後「協議」は市役所と業者間で行われた。11月の最終の実施計画を了として事業実施が行われた。最終の実施計画については「選定審査委員会」にはかけられなかった。

事業内容なども固まったことから、令和3年3月には事業に必要な施設の賃貸借契約を締結、必要な改修工事の内容や役割分担などの協議を行い工事が行われた。

解明すべき疑問点

1 なぜ公募期間を2か月弱としたのか。

公募期間が短ければ、事前に協議を行っていた事業者が有利なのは自明である。結果的に1社しか応募がなかった。

2 「選定委員会」は1回きりだが、それ以後の継続協議はどの様に行われたか。

3月・8月・11月・6月に事業計画が修正提出された。事業計画変更内容及び変更理由は、市役所の指示に基づくものなのか。

3 「選考委員会」を開催することなく事業採択したのはなぜか。

2021年11月に採択が決定され、2023年3月に賃貸借契約が結ばれた。決裁権者は当然市長であるが、なぜ選考委員会を開催しなかったのか。市役所内部だけの協議で採択され、専門家の目に触れる機会を失した。

4 議会への説明を行わなかったのはなぜか。

2021年12月の「議員全員協議会」で採択された計画が説明されたが、経過説明もなく、しかも決定前ではなく決定後に説明したのはなぜか。

5 採択以後、事業内容が変更されていく過程が十分に説明されなかった。

市役所と事業者以外が関わる場面がなく、審査が十分に行われなかった。また、事業計画書の公開や議会の傍聴などが阻まれる事態を生じた。

6 なぜもっと早く事態を把握できなかったのか。

昨年8月のオープン以降、共益費や電気代を滞納していたにも関わらず、なぜもっと早く事態を把握できなかったのか。

7 投資会社の資金が流入していることを承知していたのか。

投資資金は、事業に見込みがないとなればすぐに回収される。「トカゲのしっぽ切り」のように残されたものは立ちいかなくなる。事実そのようになった。NEXT FARMは倒産、民間の要望に添って改修した施設を抱え込んだ臼杵市という構図。臼杵市での成功例を引っ提げて全国展開すると宣伝されていたが、事業当初から資金集めだけが目的で、早期に撤退(計画倒産)する予定であったのではないかとさえ疑われます。

2023年3月  旧野津高校跡地問題を考える会 代表 若林純一



2023年3月21日火曜日

マスク研究の総まとめ

4 件のコメント:

 https://note.com/hiroyukimorita/n/n616e5eab40d6

見出し画像


マスク論争に終止符?エビデンスの総本山が内部で大揉め…【マスク研究の歴史から最新エビデンスまで総まとめ】

森田 洋之
2023年3月20日 13:30


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こんにちは。医師・医療経済ジャーナリストの森田です。

いよいよ3月13日、

「マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」

となりましたね。


まあ、もともと強制ではなかったので、

「任意から任意」

になっただけなんですけど(笑)。


さて、表題の

「マスク論争に終止符か?医学エビデンスの総本山が内部で大揉め…」

です。


実は医学界では、

「新型コロナやインフルエンザなどの呼吸器感染症にマスクは効果があるのか?」

という疑問はずっと研究・議論されてきていたのです。
言ってみれば永遠の課題と言っても良い論点です。

そして…実はコロナ前の段階で、ほぼ結論が出ていました。


○ 2011年のコクラン分析





世界中の医学研究・医学論文を可能な限りすべて集積して世界最高の医学的エビデンスを作り出す国際集団「コクラン」は、2011年の論文でこう言っていたのです。


「マスクを着けても着けなくても差はない」


と。(論文はこちら→https://doi.org/10.1002/14651858.CD006207.pub4


けっこう衝撃的ですよね。

インフルエンザなど人から人へ感染が波及してゆく感染症に対し、マスクはいかにも効果ありそうですし、また感染症専門家もテレビであんなに「マスクは大事!」と言っているのに、医学エビデンスの世界的総本山「コクラン」さんが

「マスクを着けても着けなくても差はない」


と。言っていたのですから。


ただ、これはコロナ前の話。
その後2019年末から始まったコロナ禍を受け、コクランは「2020年」に論文を更新しました。


○ 2020年のコクラン分析



その結果がまた

「マスクを着けても着けなくても差はない」

だったのです。(論文はこち→https://doi.org/10.1002/14651858.CD006207.pub5


またしても意外ですね。


でも実は、日本でマスク推奨を口うるさく言ってくるあの専門家の先生たちも当時は

「マスクをしてもしなくても意味ない」

と公式に言っていました。


こちらは、いつもマスクの重要性を強く主張している忽那先生の2019年の貴重な動画。


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「感染症の予防に繋がるという証拠はない」

と当時の動画でハッキリ言われています。


こちらもマスクの重要性を強く主張されている岩田健太郎先生。

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「マスクは意味ないですね」

と当時はハッキリ言われています。


これらのご発言の裏には、前述の世界最高のエビデンス総本山「コクラン」さんの論文の影響があったのでしょう。

エビデンスの総本山のコクランさんが言った以上、一介の医師としてそれに反論するのはかなり難しいのが現実ですから。



○ 世界のマスク信仰とマスク離れ


しかし…それにも関わらずその後のコロナ禍では世界中でマスクが推奨されたのは皆さんご承知の通り。

もちろん当時は甚大なコロナ感染被害の危機的状況(結果として日本ではそこまでなかったわけですが)があったわけで、

「何もしないよりは、根拠が薄いとしても何か対策を打ちたい!」

多くの人がそんなふうに考えても、それは仕方ないことだと思います。


事実、コロナ禍2年目にもなった2021年には様々なマスク研究論文が発表され、

その中には

「マスクが有効!」

という論文も多数ありました。

日本の政府や専門家・マスコミは、そうした論文を根拠にしてこの3年間、すべての国民に「マスク推奨」を強固に主張してきました。

そのおかげか、日本人のマスク率が現在に至るまでほぼ100%に達したのは皆さんご承知の通りです。


一方、コロナ禍を一通り経験し終え、感染も一段落して久しい現在、欧米先進国含む世界各国では、もう殆どマスク姿の人を見なくなりました。

大谷翔平のメジャーリーグや、WBC世界大会の観客席(日本会場以外)を見ればそれも良くわかります。

その流れから、日本でも3月13日からマスクは「個人の自由」となりました。


…あれ?なんとなく世間はどんどんマスクを外してゆくけれど…

結局マスクは効果あるの?ないの?エビデンスはどうなったの?




○ 2023年、最新のコクラン分析


ではエビデンスの総本山「コクラン」さんはこれについて現段階でどう思っているのでしょうか。


そんな中、2023年1月とうとうコクランさんが最新の分析結果を発表しました!

コロナ後の多数のマスク論文を含む、世界中の医学研究・医学論文を可能な限りすべて集積して分析した結果…!


「マスクを着けても着けなくても差はない」


とのこと(https://doi.org/10.1002/14651858.CD006207.pub6



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「変わらんのかい!」


と世界中の医療関係者がズッコケながら、

「じゃ、今まで世界中でマスクしてなのは何だったの!?」

と突っ込んだわけです。


○ 医学会からの批判


ただ、案の定このコクランさんの発表に対しては、世界中の医師・医療関係者から多くの批判が集まりました。

曰く

・コロナ前の研究が多く含まれていて、コロナに対するマスク効果が正確に反映されていない
・マスクをした群でもマスクの着用率が低かったのではないか
・マスクは、「自分が感染しない効果」以上に「周りに感染を広げない効果」が期待される

などなど。


権威ある世界のコクランさんですので、そんな外野の声は無視するのかと思っていたら、なんと今回は大きく反応しました。

○ 編集長の謝罪


コクランの編集長のカーラ氏(Karla Soares-Weiser)が3月10日、コクランの公式ホームページで正式に謝罪したのです。

曰く

今回の論文は誤解を招く表現がありました。ごめんなさい。いま、著者と相談して修正しています。

と。
(声明本文はこちら→https://www.cochrane.org/news/statement-physical-interventions-interrupt-or-reduce-spread-respiratory-viruses-review


医学界は

「ほ~ら、やっぱりコクランさんも訂正した。やっぱりマスクは効果あるんだよ!」

と、大盛りあがり。

しかし、今度はコクランの論文を書いた実際の著者が反発しました。


○ 論文著者の反論


というのも、コクランには編集長もいますが、それとは別に実際に分析して論文を書く「著者」もいるのです。

今回論争になっている最新のマスク論文も、コクランの過去のマスク論文も、実はすべての「著者」がトム・ジェファーソンさんなのですが、


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https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006207.pub6/information/ja#history

そのトムさんが、こう反論しているのです。

あれは編集長が勝手に謝罪したもので、著作権を持つ著者である私には一切連絡がなかった。
編集長は大きな過ちを犯した。彼らは科学者ではない、活動家だ。

本文はこちら↓



なんと…世界的権威のコクランさんも内部で大揉めです…(*_*;


○ 歴史は繰り返す


実はコクランさん、過去にHPVワクチンの論文でも大揉めに揉めました。

コクランが発表した「HPVワクチンでガンが減った」という論文に対し、コクラン創業メンバーのゲッチェ氏が2018年、

「この論文は偏りのある報告や研究に基づいており、その意味で非常に恣意的であり、よって信頼に足るエビデンスになっていない。」

と痛烈に猛烈に批判したのです。

ゲッチェ氏はこの後突然、コクランの理事を解任され、事実上追放されました。

ゲッチェ氏は、HPVワクチンについてだけではなく、マンモグラフィー(乳がん健診)の有用性、精神科薬剤の濫用についても以前からコクランを痛烈に批判してきていましたので、それもあってのことかもしれません。


○ 我々は何を信じれば良いのか?



世界的権威でエビデンスの総本山「コクラン」さんですら内部で大揉め…

我々は一体、医学に関して何を信じれば良いのでしょう?


マスクは着けたほうが良いのでしょうか?効果はないのでしょうか?


僕はこう思います。

「専門家同士でも意見が割れて揉めるような、答えがハッキリしない問題は、多分どっちを選んでも個人レベルでは差などわからないレベルということなのだから、どちらを選んでも正解でいいのではないか」


と。

DNAのヒトゲノムなどが解明されてきたので、医学が人間の体を殆ど解き明かしたような気になっている方も多いかもしれませんが、それは端的に言って「幻想」です。高度に発達してきた医学ですが、そんな医学でもまだ殆どの事が解明できていないのです。

人間の健康や病気に対して大きく影響しているのでは?と最近徐々に分かって来た「腸内細菌」ですが、その全貌は殆ど分かっていませんし、その事自体が本格的に研究されだしたのも、つい最近のことです。

「分からないことは分からない。」

のです。

この現実をしっかり受け止め、自分の心や体の声に耳を傾けましょう。

マスクをしたら自分は不快なのか?
快適なのか?
子どもたちへの影響はどうなのか?

そうすることで、

「自分にとっての正解」

を個人個人が探求していくしかないのではないかと思います。


だって、どんなに医学が発達したところで医学はあくまで確率論でしかものを語りません。決して人生の責任をとってくれません。人生の最終決定権は「自分」にしかないのですから。



以上、「マスク論争に終止符?エビデンスの総本山が内部で大揉め…【マスク研究の歴史から最新エビデンスまで総まとめ】」

でした。




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森田 洋之

夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)

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