教育委員会について本気で考える
構想日本 代表 加藤 秀樹
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いじめ問題や教員による不祥事が後を絶ちません。その防止には現
場での努力や教員各人の自覚が求められますが、これらの問題が深
刻化する背景には、学校の上に市町村教育委員会、都道府県教育委
員会、そして文部科学省が積み重なる日本の教育行政が、機能不全
に陥っているという現実があります。
本来「学校その他の教育機関を管理」(地方自治法第180条の8)す
る存在であるべき教育委員会は、今回の大津市に限らず、その役割
を十分に果たしているとは言えません。原因を端的に言えば、日本
の教育行政が、「責任をとらない仕組み」になってしまっているか
らです。
自治体の首長は、学校の設置者として予算こそ握っていますが、教
育委員の任命権を持つのみで、教育の本質に関わる権限はありませ
ん。一方、教育内容に大きな権限を持つ教育委員会は、非常勤の委
員の合議体であるため、「自分たちはお飾り」と公言する委員さえ
います。そして教育委員会事務局は、実務権限を握りつつ、「責任
は教育委員会に」という形式論を展開するのです。さらに、その上
に立つ文科省はと言えば、日常的には全国統一の権限を振りかざし
ていながら、問題が起きれば「各地域の責任だ」と言わんばかりで
す。
以上のような責任不在・機能不全はかなり前から指摘されていなが
ら、議論は教育行政の仕組み自体には至ることなく、結局は現場の
問題として「トカゲのしっぽ切り」が繰り返されてきました。この
ような状況のままで、日本の子どもたちを育てていくことができる
のでしょうか。
第180回JIフォーラムのテーマは、『教育委員会について今度こそ
本気で考える』です。教育は社会の基盤をなす重要な問題です。教
育現場の経験豊富なゲストとともに、皆さんと一緒に考えたいと思
います。
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そのとおり!
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