2012年8月24日金曜日

橋下市長が目指す近現代史施設

(以下引用)

橋下市長が目指す近現代史施設とは

型破りな政治手法や意見で知られる大阪市の橋下徹市長は、さまざまな歴史認識すべてを展示できる施設の建設を望んでいる。言うなれば、外交の頭痛の種となっている歴史の展示施設だ。
Agence France-Presse/Getty Images橋下徹市長

思い描いているのは、日本の戦後史に焦点を置いた施設だ。そのため、実現すれば、さまざまな領土紛争や、いわゆる「慰安婦」(ここ数週間、日韓関係の緊張の一因となっている歴史的な痛みだ)など戦時の非道行為が大きく扱われることになりそうだ。

橋下氏は21日、20世紀前半に旧日本軍が韓国を植民地支配していたときに韓国人女性を奴隷化したとの主張について、韓国に証拠を出すよう求めて物議を醸し、日韓外交の火種をあおった。

橋下氏は、歴史の授業では、戦時の日本の立場やその後の地域的な結果を十分に示しておらず、日本の若い世代は近現代史への理解が浅いと考えている。

大阪市の政策を担当する当局者は「近現代史はほとんどの歴史の教科書にあるが、実際に授業としてきちんと受けたような感覚はない。市長も言っているが、大学の受験で言うと、戦後については受験に必要なところぐらいしか勉強しない」と述べた。

東アジアでは歴史が議論の的になっている。あまりに多様な認識があり、あまりに一致が少なく、あまりに熱を帯びている。日本は経済・文化面で中韓両国との距離を縮めたとはいえ、歴史・領土問題への対応から生じる緊張は解決しておらず、何度も蒸し返されている。過去2週間だけをとっても、各国の団体がそれぞれ渦中の島に上陸したことから、日本は慌ただしく対応を迫られ抗議の応酬が続いている。

対立する主張の根には異なる歴史解釈がある。どの国が最初に自国領土だと宣言したか、第2次世界大戦後に領有状況がどう変わったか、といった点についての解釈だ。先の大阪市当局者によると、橋下氏の提案する展示施設では、各国の主張の背景にある事情が並記されることになりそうだ。事実関係が不透明な問題については、何らかの多面的な説明を示す。

韓国人「慰安婦」など、議論の的になっている他の問題についても同様の扱いをするとみられる。慰安婦たちは、1930、40年代に旧日本軍により性的奴隷にされたと主張している。これについては、奴隷化された女性の数から、そもそもそうした慰安婦が存在したのか否かまで、対立する見方が多くある。橋下氏は21日、この問題を取り上げ、日本の一部政治家の発言を繰り返し、慰安婦たちが軍の「暴力、強迫」を受けて連れて来られた証拠があるのなら、韓国政府はそれを出してほしいと述べたのだ。韓国と中国は、日本が教科書で戦時の侵略について表現を和らげており、政治家やナショナリストが起きた出来事を否定していると批判している。

莫大(ばくだい)な費用がかかる施設の着工はまだ数年先だ。1日に発足したプロジェクトチームは、展示ができるかを検討し始めたばかりで、結果は橋下氏の構想とは全く違ったものになる可能性もある。

橋下氏が最初にアイデアを打ち出したのは5月。2年以内に計画を固める方針を示した。だが、同様のプロジェクトには通常、10年ないし20年かかる。費用と場所の問題もある。橋下氏は公用地を使い、来年度予算に費用を計上することを提案している。市の当局者の中には、もっと差し迫ったニーズがあるなか、税金の使い道として数百億円もの資金を要する施設の建設が最も賢明かどうかに疑問を呈している者もある。

-------引用ここまで

大変よい構想です。近現代史について正しく学ぶことができる施設ができることは歓迎すべきことです。実際、学生時代に授業で近現代史を教えられた記憶の無い私ですが、ネット環境が整って後、情報収集に努め自らの歴史認識を構築してきました。このような施設が出来れば、より多くの人がわが国の来し方について考えるきっかけになると思います。

2 件のコメント:

  1. 近現代史施設、非常に良い事だと思います。

    私も学校で教わった事が全てで真実だと思ってました。
    が、インターネットが普及し色んな事が検索できて事実と違う教育がされてたことに気付きました。

    歴史認識は真実をきちんと認識したうえで発言、行動をとらないと国が、いや我々の生活自体にも影響が及びます。決して大げさではありません。

    http://blogos.com/article/45082/
    こういう国会議員(曲りなりにも弁護士資格を有する)が、いや党首が気付いているであろうにも拘らず発言撤回もせず
    http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012082300869
    まだこんなことを党あげて言ってる。

    間違いに気付いたなら謝罪、発言撤回して正しい方へ舵を切らねば、国、地方の公僕の方はその職を辞して頂きたいですね。

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  2. コメントありがとうございます。心強いです。

    ネットの普及で、多くの人が事実を知った上で自らの歴史認識を醸成することを期待します。その結果として、国が正しい方向に向かって進んでいくことが出来ると思います。

    匿名さんがおっしゃるような、事実に基づかない恣意的な発言や目先のことにのみ配慮する付け焼刃的言動は国の進路を危うくします。

    そういうことを見抜く力をつけるきっかけとなる近現代史施設(計画プロセスを含め)となればと期待するところです。

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