議会の活性化を目指す臼杵市議会への提言とも言えるような記事。
4回シリーズで新聞に掲載されましたのでご紹介します。
地域再生Ⅱ ~大分合同新聞 2010年12月7日夕刊より転載~
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■変わる地方議会① ~改革重ねオープンに~
地方議会の改革が続いている。市民によるチェックや成果報酬の導入。
開かれた議会を目指す取り組みは、自冶の可能性を広げる。
○全国初の基本条例
2006年、議会運営の基本原則を定めた「議会基本条例」を全国で初めて制定した北海道の栗山町議会。先進的な取り組みを学ぼうと、各地の地方議員の視察ラッシュが今も続いている。
制定から4年。
町内では「開かれた議会」を目指す試みが定着し、町や住民の意識も変わり始めた。
「『議員は何しているか分からん』と批判される。大変参考になった」
「住民に真摯に向き合う姿勢に感銘を受けた」
11月11日、栗山町議会を視察に訪れた千葉県習志野市や愛知県安城市など全国5市町村の議員26人は称賛の声を上げた。
対応した橋場利勝議長(65)が「地方議会への風当たりは厳しいが、住民に開かれた議会を目指して改革を続けたい」と話すと、拍手が起きた。
札幌市から東へ車で約1時間。人口約1万4千人の栗山町は、農業が基幹産業。
議会基本条例後の視察者数は約3600人に上る。
条例には、議会が住民と意見交換する「議会報告会」や、議員の質問に町長が逆質問できる「反問権」、議員相互の「自由討議」などを明記。
いずれも全国に珍しく注目を集めた。
○ガチンコの緊張感
きっかけは財政悪化だった。
町議会は02年、財政問題を徹底論議した。
「あれをつくれ、これをつくれと町に要望するだけではダメだと分かった」と山本修司議員(56)。
議会はどうあるべきかの模索が始まった。
04年には定数を5減らして13に。さらに、05年から議会報告会が始まった。
支持者向けに開く議員個人の報告会は多いが、議会報告会は町民誰でも参加できるのが特色だ。
オープンな半面、何を聞かれるか分からない。
楢崎忠彦議員(64)は「緊張感のある『ガチンコ』の舞台。何倍も勉強するようになった」。
改革を積み重ね、議会基本条例が誕生した。
議場での議論も活発化した。
07年、まちづくりの基本政策となる町総合計画の原案に議会として全国で始めて対案を作成し、原案を修正させた。
町職員からは「緊張感を持つようになった」「職員の能力を高めなければ」との声が上がる。
議会がチェック制度として設けた「議会モニター」を務める会社経営、阿部武良さん(63)は「住民の意見を次々と取り入れ、町と丁々発止の激論を交わす議会は頼もしい」と話す。
「議会が変われば、まちも変わる」と橋場議長。昨年は専門家が提言する「議会サポーター制度」を導入するなど、改革はなお続いている。
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