2013年2月22日金曜日

交付税は減額されても職員給与を守る「大分県」

大分県の予算案についての記事が2013年2月20日付け「読売新聞」に掲載されていました。大変気になる点がありましたのでご紹介します。(以下引用)

県の一般会計当初予算案は、地方交付税の減額が大きな特徴だ。国は、昨年4月から国家公務員について実施している給与削減(平均7.8%)を地方に求めており、削減額をあらかじめ差し引いて交付額を見込んだ

一方で、県は職員給与を維持する前提で予算案を編成し、収支不足を財政調整用基金の取り崩しで対応することにした。この結果、2013年度末の基金残高の見込みは、過去10年間で最も少ない279億円となる。

地方交付税は、04年度の当初予算案でも252億円の削減を見込んだ。この時、県は半分近くを同基金に頼った。当時、基金残高は392億円あり、県幹部は「基金の残高が少なければ、危機的な状況に陥っていた」と振り返る。

こうした教訓から、県は財政規模の5%にあたる300億円以上を基金残高の目標に設定している。残高目標を維持するため、県は人件費の見直しを含めた対応を早急に打ち出すことが求められている
(古野誠)

-------引用ここまで

まさか、給与削減を前提とした「地方交付税」の削減に対して、職員給与を維持する目的で「基金(貯金)」を取り崩すとは思いませんでした。決して誇れる額の潤沢な基金があるわけでもないにも関わらずです。大分県がこのような方針に出たということは、県内の自治体にも影響するのではないかと懸念されます。

「国が下げろといって地方交付税を削減したとしても、県民の財産である基金(貯金)を取り崩してでも職員給与は守る。守るべきは職員給与であって県民の生活ではない。」と言っているに等しいと思います。

2 件のコメント:

  1. 先々どんなに大変な財政になろうと「持ち家手当を廃止することはありません」と言わずとも廃止してない状況と似てますね。

    守ろうとすれば守り切れるところが凄い。

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    1. 確かに似ていますね。

      職員の給与や手当に関することは、これまで議会が踏み込まない或いは踏み込めない「聖域」のような領域でした。

      その「聖域」さえ検討しなければ許されないような財政状況が生じています。財政状況に応じた給与水準を考えるときが来ています。

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